今日の教訓

今日得た教訓をひとつずつ


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アプリの今後、または人類の未来について

アプリの企画、開発を行ってきて思うことがあります。
 
アプリというものが登場して5年以上経ちますが、単体のアプリとしてはいろいろ出尽くして勢いが無くなってきた、と感じています。もちろん「無し」ではないのですがアプリそれだけで楽しむものは減ってきていると思います。広辞苑アプリが8500円で結構売れていた時とは変わってきています。
 
代わりに、画面に収まらない楽しみ方が増えてきていて、今後はこれが主流になると予想しています。
 
ざっと挙げると
 
AR
VR
位置情報
ビーコン
○○連動型
 
とあります。
これらは、まさにモバイルという持ち運べる画面サイズならではの進化の方向です。
 
ざっと以下に各説明をあげますが、ご存じであれば読み飛ばしていただければと思います。
 
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AR(Argumented Reality)は、画面を通してみると現実に画面上のものが「重ね合わせて」見えるものです。「電脳コイル」というアニメが一時流行りましたが、あの世界観です。重ね合わせるというのがミソで、つまりその画面を見ないと他の人には見えないということで、一人でにやにやしてしまうなんてこともありえます。
 
VR(Virtual Reality)は、ARと似ていますが現実世界との重ね合わせでなく完全に仮想の世界を作って、それを全視界で見ることができるものです。そのためヘッドセットを用いるものが多いですが、アプリの観点では目の前にスマホを固定できるゴーグルを利用したりします。その世界に入り込むことができるため没入感がとても高い体験ができます。木の板の上を歩いているだけだけど、本人が見ているものは高層ビルの間に渡された鉄骨にいるといったこともできます。有名なのはOculus rift(オキュラスリフト)です。
 
位置情報は、自分がどこにいるか、どちらを向いているかで体験が変わるものです。一番分かりやすいのは地図です。また、他の技術と合わせて利用されることが多いです。最近ではポケモンGoが話題ですが、あれもポケモンが出現する場所に行くとゲットできたり、ポケストップというチェックポイントに行く位置情報ゲームです。
 
ビーコンは、位置情報をさらに細かくしたイメージです。店内でのみポイントを取得できるサービスや、スタンプラリー型のビーコンがある場所を巡っていくような、場所を限定したサービスを行うことが特徴です。iBeaconが少し前に登場して話題になりましたが、そのデモイメージでは商品の前に行くとその商品情報や割引情報が表示されるというものでした。
 
○○連動型は、スマホを操作することで現実世界のものが変わるというものです。auの企画で、スマホを操作してプロジェクションマッピングされた映像の色が変わるというものが過去にありました。テレビのリモコンを押して番組の内容に参加するというものがありますが、それをスマホで行うようなイメージです。スマートホームという考え方もあり、これはスマホが家電のリモコンになります。
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これらがアプリの次なのではないかと思います。簡単にいうと現実世界とより関係するということです。
 
現実世界により関係するアプリ(もしくはそれが発展した何か)が増えてきたとして、そこで課題となるのは「どう使わせるのか」です。その回答としては、私が思う表現としては「アプリが身体感覚を帯びる」ということになります。
 
この言葉はWierdの記事にもなっていました。
※ここで使われている意味とは少し異なります
 
 
もう少し説明を加えてみます。
このようなテクノロジーの発展は、人間の進化につながっていくと考えます。進化というと、四足歩行から二足歩行になったり指が6本になったりと今持っている身体の変化を思いがちですが、そればかりではありません。
火を使うようになって進化したこともあれば、貝殻に住むようになったり、他の生物と共生する進化により生き長らえている生物もいます。私としては、テクノロジーにより人間の能力が向上、補完されていると考えています。
 
一番分かりやすい例は「Word lends」というアプリです。これは画面を通してみると他の国の言葉が翻訳されて表示される、というものです。分類で言えばARです。翻訳こんにゃくというドラえもんの道具がありましたが、その路線です。イメージとしては、自分の目が進化して、他の国の言葉が変換されて見えるということです。
 
意識せずに自然に身の回りのテクノロジーを使いこなしてより高いパフォーマンスを発揮することが人間の次の進化ではないかと感じているわけです。その頃には「アプリ」では無いかもしれませんが、今はアプリが近いのではないでしょうか。
 
自然に身の回りのテクノロジーを使いこなすためには、深くコミットして、自分とは切り離せなくなった自分が本来から持っているものではないもの、それも自分の一部と感じるようになることが必要です。これは不可能な話ではありません。例えば職人の方が、長年使用した道具を体の一部のように扱い、まるで体の一部のような発言をすることはご覧になったことがある人が多いと思います。そのような熟達を「身体感覚を帯びる」と言うことができると思います。
 
この実現には、使う側の修練と道具の高い品質が求められます。そのハードルをどのように乗り越えていくかが課題なのだと思います。
 

今日の教訓

アプリなどの身の回りのテクノロジーを使いこなすことは、人間の進化ということができて、そのためにはアプリが身体感覚を帯びることが必要

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